【手術の加算】院内感染防止措置加算の算定要件をまとめてみた

院内感染防止措置加算
院内感染防止措置加算

手術の加算は漏れなく算定しよう

診療報酬の中でも手術の点数は高く設定されているものが多いですよね。

技術が求められる分、点数が高いのだと思います。

手術は麻酔や医療材料も多く使用するため病院の診療単価を上げる大きな要因にもなりますが、実は手術の手技料に対する加算も大きな寄与をしています。

かげの医事課長

診療行為はカルテに記載があるので「これは何か算定できるかな?」と気づくことができますが、手術の加算は意外と漏れやすいのです。

本記事では「院内感染防止措置加算」についてまとめてみます。

本記事のメリット
  • 院内感染防止措置加算について理解ができる
  • 算定についての知識を身につけ、算定漏れを防げるようになる

院内感染防止措置加算とは?

「院内感染防止措置加算」は手術の手技料への加算であり、加算点数は1,000点の設定がされています。

要件を満たせば1回に限り算定ができますが、医科点数表は下記のただし書きが記載されています。

同一日に複数の手術を行った場合は、主たる手術についてのみ加算する。

同日に複数の手術を行った場合は一番点数が高い手術にのみ算定ができます。

かげの医事課長

手術Aを実施して加算を算定した後、数日後に手術Bを実施した場合、再度加算を算定することができる、と解釈することができますね。

施設基準はある?

算定にあたって施設基準はありません

したがって、算定要件を満たせばどの保険医療機関でも算定ができる、ということになります。

算定するための要件は3つある

大きな枠でいえば、算定するためには下記の3つの要件を満たす必要があります。

  1. 患者
  2. 手術
  3. 麻酔

では、1つずつどのような要件があるのか確認していきましょう。

患者の要件

以下のいずれかの患者である。

  • 感染症法に基づく医師から都道府県知事等への届出のための基準により医師により届け出が義務付けられているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の患者(診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断がなされたもの。)
  • HBs 又はHBe 抗原によって抗原が陽性と認められたB型肝炎患者
  • HCV抗体定性・定量によってHCV抗体が陽性と認められたC型肝炎患者
  • 微生物学的検査により結核菌を排菌していることが術前に確認された結核患者

手術の要件

観血的手術を実施する。

かげの医事課長

観血的手術とは「生体を切開し、出血を伴う手術」を指すようです。「観血的」という単語が手術名称に入っている場合もありますが(例:骨折観血的手術)、帝王切開術のように名称に入っていない場合もあります。算定漏れにならないように注意しましょう!

麻酔の要件

下記のいずれかの麻酔を実施する。

  • 区分番号L008に掲げるマスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔
  • 区分番号L002に掲げる硬膜外麻酔
  • 区分番号L004に掲げる脊椎麻酔

要件のまとめ

上記に記載した3つの要件(患者、手術、麻酔)を満たした場合に算定が可能です。

観血的手術を行う場合は、手術前に感染症の検査を行うことが多いので、検査結果を確認しておくと良いでしょう。

検査結果が+(陽性)だからといって、必ず確定病名の診断ができるとは限らないようです。病名の診断がつくかどうかは、やはり医師への確認が必要です。

まとめ

ここまで「院内感染防止措置加算」の算定要件についてまとめました。

臨床の現場で働く医師や看護師にとっては、感染リスクを減らすために術前検査や対策をすることは当然でしょう。しかし、その対策に対して、診療報酬(今回の例では院内感染防止措置加算)の点数が設定されていることを知る方は少ないのではないでしょうか。

算定漏れを防ぐためにも、何かしらの対策は講じた方が良いと思います。

例えば、

  • 患者の要件を満たす場合は、医師にカルテ記載をしてもらうように伝える
  • 医事課が観血的手術を算定する際は感染症の検査結果を見て、陽性であれば加算の算定要件を満たしているか先生に確認する

といったものが考えられます。

医事課と先生との情報共有・連携が重要になりますので、定期的な勉強会を企画するのも良さそうですね。

適正・適切な保険請求をしていきましょう!

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