退院時リハビリテーション指導料は、退院後の療養生活を見据えて指導した場合に算定する医学管理料です。令和8年度改定では対象患者が限定され、自院で対象となるリハビリテーション料等を算定していたかの確認が重要になりました。この記事では、自院で算定できるかを確認する順番に沿って、B006-3の要件と算定できないケースを整理します。
退院時リハビリテーション指導料の基本
診療報酬区分はB006-3、点数は300点です。患者の病状、退院先の家屋構造、介護力などを踏まえ、退院後の療養に必要な指導を行った場合に、退院日に1回に限り算定します。指導内容の要点と、医師が職種へ指示した場合はその内容を診療録等に残します。
対象は患者本人だけでなく、家族など退院後に患者の看護に当たる者も含みます。内容は、基本動作・応用動作・社会生活への適応、体位変換、起立、離床、食事、排泄、介助方法、家屋改修、在宅サービスの情報提供などです。
令和8年度改定で何が変わった?
令和8年度改定では、自院への入院中に、次のいずれかを算定した患者が対象です。
- 第7部リハビリテーション第1節の各区分
- A233 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算
- A301 特定集中治療室管理料 注4 早期離床・リハビリテーション加算
- A301-2 ハイケアユニット入院医療管理料 注3 早期離床・リハビリテーション加算
- A301-3 脳卒中ケアユニット入院医療管理料 注3 早期離床・リハビリテーション加算
- A301-4 小児特定集中治療室管理料 注3 早期離床・リハビリテーション加算
- A304 地域包括医療病棟入院料 注11 リハビリテーション・栄養・口腔連携加算
したがって、指導を実施したかだけでなく、自院の今回入院中に対象となるリハビリテーション料等を算定したかを先に確認します。

誰が指導する?
自院で算定する場合、指導者は次のいずれかです。
- 主として医学的管理をした担当医・主治医
- 主としてリハビリテーションを担当した医師
- 医師の指示のもとで、PT・OT・STのいずれか1職種以上と、保健師・看護師・社会福祉士・精神保健福祉士のいずれか1職種以上が一緒に指導
3のパターンでは、リハビリテーション職種だけ、または看護・相談職種だけでは要件を満たしません。リハスタッフのみで指導した場合は算定できません。指導者の所属や指示内容も確認し、診療録等に要点を記録します。

退院時の転帰
退院時の転帰も確認します。
- 死亡退院は算定不可
- 自院から他医療機関へ転院する場合は算定不可
転院については、厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その15)」問7も確認してください。転院先からさらに退院する場合に、転院先での要件を満たすかどうかは、転院先の今回入院について別途判断します。
入院歴がある場合は、入院起算日を確認
入院歴がある患者では、「今回の入院で入院起算日が新しくなっているか」を確認します。入院期間が前回入院から通算される場合は、B006-3を再度算定できません。3か月・1か月などの詳細ルールはケースにより確認資料が異なるため、この記事では入院起算日が新しくなったかを判断材料として示します。

「特別の関係」にある医療機関からの転院または入院歴にも注意
自院と「特別の関係」にある医療機関からの転院、またはその医療機関への入院歴がある場合は、入院起算日が引き継がれる可能性があります。代表例には、開設者が同じ、代表者が同じ、一定の親族・役員関係、人事・資金等を通じて経営方針に重要な影響を与えられる関係などがあります。
詳細な定義は深掘りせず、該当する可能性がある場合は、入院料等の通則にある「特別の関係」の規定を確認しましょう。
DPC対象病院は2つの観点で再入院を確認
DPC対象病院では、一般の入院起算日と、DPC制度上の「一連の入院」を分けて確認します。
- 入院料等の通則上、入院起算日が新しくなっているか
- 退院後7日以内の再入院では、DPC制度上「一連の入院」に該当しないか
DPC制度上「一連の入院」に該当する場合は再算定できません。一方、DPC制度上も一連の入院ではなく、一般通則でも新たな入院起算日になっている場合は、今回入院で改めてB006-3の算定要件を確認します。
「7日を超えているから算定できる」と単純に判断しないことも重要です。7日を超えていても、一般通則上の入院起算日が前回入院から引き継がれていれば再算定できません。最終的には最新のDPC通知、入院料等の通則、院内の入院起算日確認手順を照合します。
退院時共同指導料2との関係
退院時共同指導料2を算定したら、必ずB006-3が算定不可になるわけではありません。自院のPT・OT・STが退院時共同指導料2に係る指導等を行った場合には、同一日にB006-3を別に算定できません。
それ以外の要件を満たし、両方を算定できる場合は、診療報酬明細書の摘要欄に次を記載します。
- 共同指導を行った者の職種
- 共同指導年月日
実際の請求では、最新の診療報酬明細書記載要領を確認してください。
自院での確認チェックリスト
- 区分がB006-3、点数が300点である
- 退院日に1回の算定である
- 自院の今回入院中に対象のリハビリテーション料等を算定している
- 指導者が医師、または要件を満たす医師の指示下の2職種構成である
- リハスタッフのみの指導になっていない
- 退院時の転帰が死亡退院・他医療機関への転院ではない
- 入院起算日が今回入院で新しくなっている
- DPC対象病院では「一連の入院」も確認した
- 退院時共同指導料2との同日算定関係を確認した
- 必要な指導内容・指示内容を診療録等に記録した
まとめ
令和8年度のB006-3は、自院の今回入院中に対象となるリハビリテーション料等を算定した患者かどうかが最初の確認点です。そのうえで、誰が指導したか、退院時の転帰、入院起算日、DPC上の一連の入院、退院時共同指導料2との同日算定を順番に確認します。迷うケースは、最新の告示・通知・疑義解釈と院内運用を照合して判断しましょう。













